小倉喜久子さんのフォルテピアノ

9月に小倉喜久子さんをお招きして、レクチャーコンサートを開催しました。

フォルテピアノとは、1700年頃にピアノが発明されてから、19世紀半ばまでのピアノの呼称です。

バッハの時代から、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、そしてショパンやシューマンまで、ピアノといえば「フォルテピアノ」のことだったのです。

東京から2台のフォルテピアノを運びました。1台は世界最初のピアノ(クリストフォリ)を再現したもの、もう1台はヴァルター(1795年のモデル、1995年製)です。

ヴァルターはモーツァルトやヴェートーヴェンも所有していたもので、当時の音をそのまま聴くことができます。クリストフォリを作ったチェンバロ製作者の久保田彰さんもいらして下さいました。

 小倉さんは楽しいお話を交えながら、演奏して下さいました。

ピアノが生まれた経緯や、ベートーヴェン所有のピアノの内部のことなど、とても興味深いお話が満載で、演奏も繊細で美しく、活き活きとした楽しさにあふれる音楽がホール一杯に流れました。

 

コンサート後に公開レッスンがあり、5名の生徒さんが受講しました。

小学生からシニアの方まで、2台のフォルテピアノを弾き分けながら、要点をしっかりご指導していただきました。生徒さんにとっても、忘れがたい貴重な経験になったことと思います。

 

ピアノといえば、この100年間ぐらいの楽器を念頭に置いていましたが、フォルテピアノに触れてみて、ピアノの世界が一気に300年以上に広がってしまい、またまた楽しさが莫大に増えて、眩暈を感じる此の頃です。本当に音楽の世界は広くて、汲めども尽きない泉のように、飽きることがない宝の山ですね。

 

 

 

2016年10月13日